枝葉を大きく伸ばし、たくさんの実を付ける樹木には、土の下に隠れて見えない「根」も同じだけ大きく張り巡らされています。逆に、根が地中にしっかり張っていない樹木は、地上の枝葉も栄えてきません。また、一見同じように見える建物でも、地震や災害に耐えうるものと、そうでないものがあります。これもまた見えない地中の土台という基礎がしっかりしているかどうかの問題です。
人間にもこの原理が当てはまります。目に見える人生の形(結果)は、見えない心の表れなのです。目に見える部分、たとえば技術やサービスなどの職業能力の修得には一様に力を入れるのが通常ですが、実際にそれを活かす、応用を効かせる、継続した成果が得られるかどうかは別問題なのです。その為には見えない心を肥やす、人間力を高めることが不可欠です。